【iPhone SE】打痕が酷く画面が閉まらない

根強い人気のiPhone SE。
現在はAppleで公式に販売されていないのもあり、修理して使っている方も非常に多いです。
iPhone SEはiPhone 5Sと内部構造がほぼ同じなので、昔から修理をしている馴染みのある機種です。
ですので画面交換の修理自体は難しいものではないのですが、意外と厄介な状態のことが多い機種でもあります。
場合によっては、もっとも時間のかかる機種かもしれません。
なぜかというとですね、この5シリーズというのは画面が本体のアルミ部分にすっぽりと入る形のため、アルミ部分がちょっと曲がっていたり打痕があると、画面が正常に閉まらないので、整えなければいけないからです。

例えば、これ。
先日後楽園店にてご修理を承ったお客様のiPhone SEです。
よくお客様に「iPhoneは角が弱い」という話をしているのですが、写真を見るとお分かり頂けるようにiPhoneは角をぶつけやすく、その衝撃で画面が割れてしまうケースが圧倒的に多いです。
では、画面を外してみます。


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丸をつけた部分に注目してみて頂くと分かるかと思うのですが、アルミ部分が内側にえぐれています。
このままだと新しい画面が正常に入らず取り付けられないので、ここを手で矯正してあげなければいけません。


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もう少しアップにしてみます。


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しかも、ただ画面が入るだけでは不十分です。
無理せずスッと入るところまでしっかりと矯正してあげないと、端末を落とした時に画面がすぐに割れてしまう大きな原因になるのと、枠部分が剥がれて液晶故障を引き起こす大きな原因にもなります。
画面を無理やり力ずくで入れてしまうと、アルミ部分が画面を圧迫している状態になるので、画面に不要な圧がかかってしまうからです。

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ただでさえ、枠部分が剥がれて浮いてきやすいこの機種は、アルミ部分をきちんと矯正してあげないと不要な再修理が増えてしまいます。
また、お客様側からしても、特に液晶純正パネルへの交換では少なくない金額を支払って修理を依頼しているため、修理後すぐに割ってしまったら残念な気持ちになります。
そのため師匠は昔から「画面を無理やり閉めるな!とにかく本体矯正に気を遣え!」ということを口すっぱく言っています。
状態にもよるのですが、これがめちゃくちゃ大変で、時間もかかるんですよ。
ですので、iPhone5SやiPhoneSEの画面交換は修理時間を通常よりも長めに頂くことが多いです。
こういうところが専門店らしさ、ですかね。
うちは特に激しく壊れているものも多いので、一般的な修理店よりも修理時間は長めだと思います。

また、別の日のiPhone SEの修理を見てみましょう。
この日は取手店です。
この端末は右上の歪みも酷かったのですが、なんといっても左下。
お客様のお話によると、部屋のフローリングにかなり強く叩きつけてしまったようで、その衝撃でかなり大きく湾曲してしまっておりました。

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もう少しアップで見てみます。

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上のお客様もそうでしたが、iPhoneSEはこの電源ボタン部分(右上)の打痕がひどいケースが非常に多いですね。
以前「iPhone SEで電源ボタンがカチカチ言わないので直して欲しい」というご相談を受けたのですが、電源ボタン部分のカチカチはこの右上角の打痕・歪みが酷くてアルミ部分を正常な形まで戻すことが出来ない場合には、完全に直すことができないことがあります。
物理的に中のボタンが凹んでいるだけなら電源ボタンを交換すれば元に戻せますが、本体の歪みが原因になりカチカチ言わなくなっていることもあり、どこまで戻るかはやってみないと分からないからです。
意外と奥が深いiPhoneの修理。

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この修理はとにかく左上の歪みが酷く、本体矯正だけで1時間かかりました。
矯正して画面を入れてみる。
まだまだ。
矯正して画面を入れてみる。
少し進んだ。
矯正して画面を入れて見る。
もうちょっと。
・・・
・・・
という感じで、矯正しては画面を入れる、矯正しては画面を入れる、ということを繰り返し、無理なく画面が収まるまで行います。
これ、かなり疲れるんですよ。
うちは本体矯正に関しては別料金は取りませんが、おそらく別料金を取っているところもあると思いますし、取って当然だと思います。
それくらい本当に大変なので。
今回ご紹介したお客様おふた方のiPhone SEの修理では基盤を外すまではいかなかったですが、もっと酷い場合には基盤を外すこともあります。
本体矯正は大変ですが、やはり絶対にやらなければいけない外せない工程なので、うちではお客様に状況をご説明して十分な修理時間を頂いております。

修理店の担当者によってはこの工程をやっていない(というか知らないんだと思う)ところもあります。
以前iPhone6のお客様で「非正規店で2回画面交換をしたことがある」とおっしゃっていた方がいらっしゃいました。
コピーパネルが取り付けてあったのですが、画面自体がしっかりと閉まっておらず、少し浮いていました。
なぜかというと、本体のえぐれている部分を矯正せずに無理やり画面を閉めていたためです。(赤丸部分)
そのため、画面に不要な圧がかかっており、画面の枠部分の糊が剥がれてきておりました。(青い四角部分)
ただでさえ、ちゃちいつくりのコピーパネルでこんなに無理やり画面を入れてしまったら、すぐ壊れます。
私たちはこの状態では怖くて絶対に返せません。
詳しくは聞きませんでしたが、勝手にコピーパネルが取り付けられていたことを合わせても、おそらく大衆店に行かれたのではないかと思います。

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こういうところを気にするかどうかは、店によるでしょうね。
うちの液晶が純正のパネルの交換修理料金というのは、決して安くありません。
前回も触れましたが、普通にやっていてはお客様に選んでいただくことなどできません。
では、なぜ選んでいただけるのか?
全国からご修理依頼をいただけるのか?
その理由を私たちは十分理解しています。
それはうちが「専門店だから」です。
よく「大切なのは真心だ」という人がいますが、私は真心以前に、まず技術と知識だと思っています。
私たちはお客様に対してもちろん無礼のないように気をつけてはおりますが、決して媚びへつらったりはしませんし必要以上にバカみたいに丁寧にもしません。
接客に関しては正直普通です。
ですので、中には一部私たちのことを「なんか感じ悪いな」と思い、他の店に行かれる方もいらっしゃると思います。
でも、私はそれならそれでいいと思っているんですね。
修理店なのに接客は真心なんていうのは、無能です。
お客様と接するにあたりぶっきらぼう・失礼な態度なんていうのは論外だと思いますが、私は最低限普通にお客様に接すれば問題ないと考えています。
その代わり、お金をいただく以上、対価以上の仕事を提供するために全力を注ぎます。
私たちは中身で勝負しているからです。
だから私たちは「修理」部門は非常に細かいところまで気を配って仕事をしています。
まぁ専門店ですので当たり前のことではあるのですが。

ということで、本日はiPhone SEの本体矯正をご紹介致しました!
お客様、ご利用誠にありがとうございました^^